中国と日本では、当たり前ですが、文化・風習・マナーなどが違うので、知らずに行くと様々なトラブルの原因になってしまいます。
「郷に入っては郷に従え」という言葉もあるように、行った先のルールに合わせるのが異文化コミュニケーションの鍵です。
そこで本記事では、中国に何回も行っている私が、「覚えておいた方がいい中国と日本の違い」について説明したいと思います。
覚えておくべき中国の文化・風習・ルール
まずは、覚えておいた方がいい中国という国に関しての文化や風習などを説明します。
トイレットペーパーを流してはいけない
中国ではトイレットペーパーが流せないトイレが多いです。
なぜトイレットペーパーをトイレに流してはいけないかというと、トイレットペーパーの質が低く水に溶けないから、そして水圧が低くて詰まってしまう可能性があるからです。そういう所では、トイレのそばにゴミ箱があるので、そちらに捨てるようにしましょう。
トイレットペーパーを普通に水に流してもいいところは多くなってきてはいるようですが、トイレにゴミ箱が併設されているような場合にはそちらに捨てる方が無難です。
電車でも荷物チェックがある
空港だけでなく、電車でも荷物チェックがあります。
電車などでも荷物チェックをする理由は、テロなどの対策というよりは、どうやら不慮の爆発事故対策のようです。かつては爆発物を旅客鉄道で運ぶ会社があり、それによる爆発事故が多発し、その対策として電車などでも荷物チェックが行われるようになってそうです。
具体的に持ち込みが禁止されている品目は、銃器またはその模倣品、花火などの爆発物、ナイフや毒ガスなどの危険物です。飲み物やライターなどは持ち込みできるようです。
自動車優先
日本では歩行者が優先ですが、中国では自動車が優先です。日本だと車道優先の道路の場合でも、待っていれば譲ってくれることがありますが、中国ではそのようなことはないと思っていいでしょう。信号がない道路だといつまで経っても渡れない、というようなこともよくあります。
しかし、どうやら法律上は歩行者優先のようです。中国では力が強い者が勝つ、ということで車の方が優先なのでしょう。
以前、「松紳」という番組で島田紳助さんが、中国に行った時のエピソードとしてこのような話をしていました。
上海はスゴイ。道路、車、ブワーッと走ってんねん。そんでその間を自転車が走ってんねん。大通りや。トロリーバスも走る。そこを、中国の人間、バーッと走って渡んねん。俺らいつまでたっても渡られへん。(中略)俺ら一日中何回も轢かれそうになりながら、もう必死や。でな、「ショウ君(ガイドさん)、おかしい!」と。「日本は歩行者優先や。人間が一番、その次が自転車、ほんで車や。こういうルールがある。この国はルールないのんか?誰が一番優先やねん?」って聞いてみたら、ショウ君、真顔で「勇気あるものです」って。マジやで。俺あの名言、一生忘れへんわ。確かに、勇気いるわ。ホンマ勇気いるもん。飛ばすやろ、でもな、勇気ない車はブレーキ踏みよるもん。止まりよんねん。
この話は当時、「嘘やろ」と思って話半分で聞いていましたが、あながち間違いでもないです。笑
中国で道を渡る際には、少しの勇気をもって渡るようにしてください!!
料理の味が濃い
中国の料理は、基本的に味が濃いです。ほとんどの料理が日本人からすると甘すぎるか辛すぎます。
私が薄味が好きなのもあるかもしれませんが、中国の料理はほとんどどれも口に合いませんでした。
当たり前かもしれませんが、(日本人の口に合うように作られているので)日本で食べる中華料理の方がおいしいです。
你好(ニーハオ)の万能さ
你好(ニーハオ)の万能さがすごいです。
日本だと挨拶は、「おはようございます」、「こんにちは」、「こんばんは」と分かれていますが、全て「ニーハオ」でいけます。
通訳さんが毎回どの挨拶も「ニーハオ」と言っていたので聞いてみたら、どうやらだいたいどの場面でも使えるようです。
「おはようございます」、「こんにちは」、「こんばんは」(Hello)に加えて、「はじめまして(Nice to meet you)」、「すいません(Excuse me)」というようなものが全て「ニーハオ」で大丈夫だそうです。
中国語が分からなくても、だいたい笑顔でニーハオって言っとけば大丈夫です!!(たぶん)
意外と英語が通じない
意外と英語がほとんど通じません。勝手なイメージですが、以前は日本以外の人はだいたい英語を話せるイメージがあったのですが、ほとんどの中国人には英語は通じません。
初めて中国に行ったとき、「まあなんとかなるやろ」と思って、空港からホテルまでは通訳さんなしで行こうと思ったのですが、全く英語が通じなかったので大変でした。
タクシーを降りてからホテルまで少し歩く必要があったのですが、道が分からなくなり、人に聞いても言葉が通じないため、途方にくれました。その時は、スマートフォンという文明の利器があったおかげで助かりましたが、英語は特に田舎ではほとんど通じないということは覚えておいた方がいいでしょう。
日本語に至っては全く通じない
中国では日本語が話せる人の比率は非常に少ないです。中国人自体の人数が多いので、日本語が話せる中国人の数自体は多いですが、それで勘違いして中国では日本語が通じると思ってはいけません。
その勘違いをしていたのは他でもなく私です。もし困ってもその辺を探せば日本語を話せる人が簡単に見つかるだろう、日本語が通じなくても最悪英語なら話せる人は結構いるだろう、と勘違いしていましたが、実際には英語も日本語もほとんど通じません。
英語はまだホテルや空港などでは通じますが、日本語に至ってはどこに行っても通じないです。中国に行く予定のある方は覚えておいてください。
春節になるとみんな故郷に帰る
春節とは旧正月のことで、中国で一番大きな、そして一番重要な祝日です。
春節の期間は家族と一緒に過ごすというのが中国の風習なので、この期間はみんな故郷に帰ってしまいます。そのため、工場などの仕事はすべてストップしてしまいます。
中国のメーカーと取引する人は春節のことは常に頭に入れておかなければなりません。これを忘れていると、商品が在庫切れになってしまって販売できないということにもなってしまいます。
春節自体の休みは1週間くらいですが、その前後の5日くらいも休みになっているケースが多く、その辺は取引先に確認しておいた方がいいでしょう。
年齢の数え方が違う
中国の年齢の数え方は数え年です。これは生まれた年を1歳として、春節を境に年齢を重ねるという歳の数え方です。
そのため、日本での歳の数え方と比べ、1~2歳上になることが多いです。ある人の年齢を知りたかったら生まれを聞いた方がいいかもしれません。
食事を残すのがマナー
日本では食事を残すことはマナー違反ですが、逆に中国では食事を少し残しておくのがマナーです。
これは、「もうおなかがいっぱいです、たくさんの料理を出してくれてありがとうございます」と作ってくれた人に感謝をして示すための礼儀だそうです。
ただし、残しすぎるのもこれはまずかったということでマナー違反なので、少しだけ残すのがいいでしょう。
これはホームパーティのようなものだけでなく、飲食店などでも同じように行った方がいいようです。中国の店では余った分は持って帰れるところが多いので、たくさん頼んで残って分を持って帰る、というようにした方がいいかもしれません。
水道水は飲めない
中国の水道水は飲めません。というより、水道水が飲める日本の方が世界的に見て珍しいです。
飲食店などでも水は頼まないと出てこないことがほとんどです。
電子マネーでほぼ何でも払える
中国では電子マネーがとても発展しているので、だいたいどこでも電子マネーで払えます。むしろ現金が使えないケースもあります。
中国では偽札が多く、紙幣に対する信頼があまりなかったので、電子マネーが大きく普及したようです。現金で支払えない店もあるので、中国に行く際には電子マネーで支払えるようにしておいた方がいいです。
日本人が利用できるのは、「クレジットカード」、「Wechat Pay」、「銀聯カード」などです。
「クレジットカード」は中国では使えないケースも結構あります。初めて中国に行った時のホテルでクレジットカードが使えなくて途方にくれました。その時は、通訳さんに電話をして、肩代わりしておいてもらいなんとかなりました。通訳さんが優しい方で非常に助かりました。
「Wechat Pay」は日本人が利用できる期間と利用できない期間があるようです。ルールがころころ変わるので、使えるかどうかはその都度確認したほうがいいです。
「銀聯カード」は中国銀聯(ユニオンペイ)のクレジットカードやデビットカードの総称です。中国でほぼ間違いなく使えます。日本国内でも作れるので、作っておいて損がないです。
交通費がめちゃくちゃ安い
鉄道やタクシーなどの交通費がかなり安いというのが中国の特徴の1つです。
例えば、日本でタクシーに乗る場合は、10kmでだいたい4,000円くらいかかりますが、中国のタクシーは、10kmで1,000円いかないくらいで乗れます。
以前、中国でタクシー代をぼったくられましたが、そのぼったくられた値段でも日本のタクシー代よりは、はるかに安かったです。笑
食事など、他の物価については、中国の方がやや安いくらいですが、交通費に関していえば中国の方が相当安いです。
私服で働いている
中国では基本的にスーツなどではなく、私服で働いていることが多いです。私が主に行っているのは広州というとても暑い地方だというのもあるかもしれませんが、スーツの人はほとんどいません。
とても暑いので、私もスーツを着るのは断念して私服で行っていますが何も問題ありません。人の服装とか、そういうところはあまり気にしてないような気がします。
中国人の特徴(日本人との違い)
先ほどは中国という「国」の文化や風習について説明してきましたが、今度は中国「人」の特徴について説明していきたいと思います。
謝らない
中国人は基本謝りません。謝ったら負けだと思っています。
これは中国人が頑固ということではなくて(それもあるかもしれませんが)、謝罪の持つ意味が大きいからです。日本人は何かあったらその場を円滑に進めるためとりあえず謝りますが、中国では謝罪をした人間がすべて悪いということになり、全責任を負わされてしまうので、迂闊に誤ってはいけないのです。
例えば、中国人相手に取引をする際に、自分が2割くらい悪いと思ってとりあえず謝ったら、全てこちらが悪いという風にされる可能性があるということです。そのため、よほどこちらが悪い時を除いて簡単に謝罪しないようにしましょう。
喜怒哀楽がはっきりしている
日本人は、全体の空気を重んじて自分の感情を隠すことが多いですが、中国人は、喜怒哀楽がはっきりしていて、自分の感情を表に出す傾向があります。
分かりやすくていいですが、打たれ弱くてはっきり言われるのが苦手な人は気をつけた方がいいでしょう。
こちらも中国では出来るだけ自分の感情を隠さずにオープンにした方が人間関係が円滑にいくかもしれません。
女性でも恰好がラフ、化粧が薄い
日本だと特に女性の場合はファッションにこだわっていて、化粧もばっちりという人がほとんどですが、中国では女性でも恰好がラフで化粧は最低限です。
これもおそらく単に風習の違いです。メイクにかけるのに時間を割くくらいなら、その時間は寝るか他のことをした方が有意義に過ごせる、ということなのでしょう。
中国から帰ってきて久々に日本人を見ると、とても化粧が濃く感じ、ほぼ全員の女性がギャルに見えます。笑
フレンドリー(馴れ馴れしい)
中国人はとてもフレンドリーな人が多いです。特に田舎で外国人がいることが珍しい地域なら、よく話しかけられます。中国語で。笑
基本的に私は海外に行ったときはその国の人と交流をしたいので、(実害がないなら)話しかけられることは嫌ではないですが、人によっては馴れ馴れしく感じることもあるかもしれません。
クラクションの音が常に鳴っている
中国では、朝でも昼でも夜でも、あちらこちらでクラクションの音が鳴り響いています。
中国人は我が道を行くので、クラクションを鳴らさないといつまで経っても進めず、至る所でクラクションが鳴っているという状況です。
ホテルなどにいると夜でもクラクションの音が鳴っているので、寝れるのか心配になりますが、不思議と2~3日すると慣れます。
割り込みは普通
電車が到着して乗り込むときなど、当たり前のように割り込んできます。中国でもちゃんと並ばなければいけないというルールはあるようですが、特に年配の人は並んでいても無視して先に行こうとします。
トラブルを避けるために譲るというのも一つの手ですが、それだと一方的に損をしてしまうので、抜かれないようにしっかり体でガードするなど、こちらも対策をした方がいいです。
常にどこかで喧嘩している
中国では我が道を行く人が多いので、常にどこで喧嘩をしています。
原因は割り込んだとか、邪魔をしたとか、些細なことが多いですが、自分の感情を表に出す傾向にある中国人にとってはある意味仕方のないことなのかもしれません。
日本だと喧嘩をしている人がいたら珍しいので注目したり、止めに入ったりする人も多いですが、中国だと日常茶飯事なので他人はほとんど気にしてないように見えます。笑
仕事中スマホをいじっている
接客業などで客の対応をしていない時は、当たり前のようにスマホでゲームなどをしています。こちらが話しかけると対応してくれるとはいえ、日本だとこの光景は考えられないですよね。笑
仕事がない時は何をしていても問題ないだろう、という理屈だと思います。確かに日本にいると、接客業で客がいない時でも座ることすら許されず、綺麗な姿勢で待っていなければいけない、ということに慣れてしまっているので違和感を感じますが、別に誰にも迷惑をかけないわけでこれくらいラフでもいいのかもしれませんね。
店員の笑顔がない
日本だと店員は愛想笑いをするか、そこまでいかなくても丁寧な対応をしてくれますが、中国では、基本的に店員がこちらに媚びてくることはないです。
中国に行ったときは愛想のない店員に驚きますが、不思議なもので、しばらく滞在して日本に帰ってくると、愛想笑いをふりまく店員に違和感を感じます。笑
ぼったくりがありふれている
中国は未だぼったくりが多いです。気を抜いているとすぐにぼったくりに遭うので、注意しなければなりません。
私もタクシーでぼったくられたことがあります。タクシーに乗った際に、メーターのところがタオルで隠れていたのです。愚かな私は特に何とも思いませんでしたが、目的地まで着くと、メーターが回っていなかったけどこれだけの金額を払え、と相場以上の値段を請求されました。
このようなことがありふれているので、中国に行く際には、ぼったくりに遭わないように十分注意してください。
物乞いがありふれている
中国は急速に経済発展したとはいえ、まだ貧しい人は多いです。そのため、物乞いや浮浪者のような類の人はたくさんいます。
特に日本人は金持ちで断れない性格だとバレているため、しつこく絡まれることがあるかもしれませんが、一人に情けをかけると他の人も集まってきて次々に集られる可能性があるので、絶対に相手にしてはいけません。
個人主義
日本人が集団を大事にするのに対して、中国では個人の利益が重視されます。
これまでクラクションの音が常に鳴っているだとか、喧嘩が多いだとかいうのは、中国人の根幹には個人主義というものがあるからだと言っていいでしょう。
尊敬すべき中国人の特徴
ここまで読まれた方は、中国人は荒っぽいだとか、自己中心的だとか思ったかもしれませんが、中国人のいいところもたくさんあります。
人情味にあふれている
中国人は、自分の感情を表に出すということで喧嘩や諍いも多いですが、それだけ人間らしく、人情味があるとも言えます。私が中国の人は人情味にあふれているなあと思ったエピソードがあります。
女性がスーツケースを持って重そうに階段を上っていたところ、中国人の若い男性が来て、階段の上まで荷物を運んであげていました。女性が感謝の意を伝えていましたが、その男性は振り返らずに、去っていきました。
めちゃくちゃカッコいいですよね!その時、私も女性が重そうにしていることは気づいていましたが、話しかけるのも迷惑じゃないか、とか引ったくりに間違われると面倒になる、との気持ちから手を差し伸べることはできませんでした。
中国人のこういう所は見習っていかなければいけないと思いました。
言語の習得があり得ないくらい速い
中国人は外国語の習得がめちゃくちゃ上手です。中国にはたくさんの発音があるので、外国語を覚えるときにも有利です。
一方、我々日本人は、あまり発音の種類が多くないことに加え、文法が中国やヨーロッパのものとは違うので、どうしても言語習得は苦手です。
言語の習得がうまいところは本当に羨ましい!と思いますよね。
家族(身内)をすごく大事にする
中国では他人に対しては厳しい代わりに、家族や友人などの身内はものすごく大事にします。
日本人は赤の他人に対しても丁寧で、それ自体はすごく素敵なことなのですが、店員に対して丁寧な対応をしないのはありえない、と言っている同じ口で妻や旦那の悪口を言っているのはどうしても解せないです。
身内をとても大事にしながら他人に対しても優しくありたいですね。
大胆なことをやる
中国人はスケールが大きい大胆なことをやってきます。
以前、中国人らしきセラーがAmazonで数日でサクラレビューを200件ぐらいつけているのを見て、どうなるのかチェックしていたら、案の定、消されていました。笑
これは愚かな例ですが、日本人が思いもよらないような規模のことを平気でやってくるので、本当に恐ろしいです。いい意味でも悪い意味でも。笑
こういう大胆なところは日本人もに習わなければいけない部分もあるかもしれませんね。
番外編
以上、気をつけるべき中国と日本の文化・風習・マナーなどの違いでした。中国に行かれる方は是非、参考にしてください。
さて、最後に番外編として中国で面白かったエピソードを紹介して締めさせていただきます。
寿司に味噌汁とコーラがついてくる
中国で寿司屋に行って、セット的なものを頼んだら、味噌汁とコーラがついてきました。味噌汁はまだしもコーラは…笑
味は思ったよりましでした。笑