中国輸入での取引先やパートナーへのおすすめの海外送金方法

中国輸入で取引先やパートナーなどに支払いをする場合、どのような方法を取ればよいのでしょうか。

特に初心者の方の場合は、そもそも銀行振り込み以外のサービスは知らないという方も多いかと思います。

本記事では、おすすめの海外送金の方法とそれぞれのメリット・デメリットについて説明したいと思います。

海外送金にかかる手数料

海外送金の際にかかる手数料は以下の3つです。

  • 送金手数料
  • 中継銀行手数料
  • 為替手数料
  • 受取手数料

以下で詳しく説明していきます。

送金手数料

送金にかかる基本的な手数料です。

一律料金のこともあれば、送金額の何%というように決められていることもあります。

例えば、楽天銀行(個人口座)の場合は一律750円、paypalの場合は30万円以下の決済なら
4.1 % + 40 円 / 件となっています。

中継銀行手数料

国内間の銀行同士の取引においては、各行が日本銀行(中央銀行)に口座を持っていて、その口座間での資金振替により送金が行われています。
一方国内外の銀行間の取引においては、中央銀行の役割を果たす機関がないので、海外のある銀行に中継の役割を果たす口座を開設し、そこから更に本来の送金先へと送ることにより送金が行われています。

この時にかかるのが中継銀行手数料です。

楽天銀行の場合は、一律1,000円かかります。

為替手数料

国内外の送金の場合、通貨が違うので、外貨に換えてから送金する必要があります。この変換には為替レートが適用されます。海外送金を行う機関では、相場より少し高い為替レートを使って外貨への変換が行われます。この上乗せ分のことを為替手数料といいます。

例えば、一般的なレートが1元=16円の時、ある銀行が1元=18円の為替レートを採用している場合、同じ10,000元(160,000円)の決済をするときでも、20,000円の為替手数料がかかってしまいます。これは全体の12.5%に当たり非常に大きいです。

そのため、どのような為替レートを採用しているかは海外送金の手段を決定する上で非常に重要な要素です。

受取手数料

送金された人が受け取るときにかかる手数料です。

かかる場合、かからない場合、送金者負担になる場合、受取人負担になる場合など色々あります。各海外送金の機関やあるいは取引先との条件によっても異なりますので、必ず確認してから送金するようにしましょう。

海外送金の方法

様々な海外送金の方法がありますが、今回はおすすめの3つの方法をご紹介します。

それが、

  • 銀行送金
  • MoneyGram(マネーグラム)
  • paypal

です。

この3つの方法を知っておくだけで海外送金の際には困らないでしょう。実際私もこれらしか使っていません。

ただし、この3つの送金方法はそれぞれメリット・デメリットがあるので使い分けをするべきです。

以下、これらの方法について詳細に説明していきます。

銀行送金

まず一番普通の方法が、この銀行送金です。

手数料や採用されている手数料などから現在は楽天銀行をおすすめしています。

銀行送金にかかる費用(楽天銀行の場合)

銀行送金のメリット

  1. 一度に多額の資金を送金できる
  2. 手数料が(そんなに)高くない
  3. ほとんどの取引で使用できる

・一度に多額の資金を送金できる

銀行送金を利用する一番のメリットがこれです。高額の取引の場合も問題なく決済できます。

ただし、楽天銀行の個人口座の場合は、一度に100万円、1年間に500万円までしか送金できないので、それを超える場合は個人事業主か法人口座を作るようにしてください。

・手数料が(そんなに)高くない

手数料がそんなに高くないのでメインの送金方法として使えます。もっと安い方法はありますが、他にデメリットがありメインとしては使えないです。特に取引量が多くなってからは銀行送金を使うことが多くなります。

・ほとんどの取引で使用できる

銀行取引に対応していないという取引先は見たことないので、全ての工場との取引で使用できると考えてよいです。

銀行送金のデメリット

  1. やや遅い
  2. 詐欺に遭う危険がある
  3. 現金払いしかできない

・やや遅い

着金するまでにやや時間がかかってしまいます。遅いと1週間程度かかってしまう場合があり、その分商品制作も遅れてしまいます。

・詐欺に遭う危険がある

補償などはないので、本当にその会社が信頼できる会社なのか分からない場合はリスクが大きいです。銀行振り込みで送金する場合は相手が本当に信頼できるのか確かめてから行うようにしましょう。

・現金払いしかできない

当たり前ですが銀行振り込みは現金払いでしか行えません。OEMの場合は商品制作開始から売上が上がるまでにやや時間がかかってしまうことからクレジットカードで仕入れるメリットは薄く、このことは大したデメリットではありません。

マネーグラム(enRemit)

MoneyGram社が提供する海外送金サービスを利用することで、安く送金をすることができます。

以前はMoneyGram社のシステムを使う際にSBIレミットを使っていましたが、2018年5月頃から使えなくなってしまったので、現在はenRemit(エンレミット)を使うことを薦めています。

enRemitにかかる費用

enRemitのメリット

  1. 手数料が安い
  2. とにかく速い
  3. 店舗での送金の場合は登録に時間がかからない

・手数料が安い

他の決済の方法と比べて手数料が安いです。50,000円以内の送金の場合は480円で送ることができます。

外注の手数料など、比較的低い金額の送金に向いています。

・とにかく速い

速い場合は数分以内、遅くとも1時間以内には着金するという、圧倒的速さを誇っています。

どうしても早く生産したいという場合の送金にも適しています。

・店舗での送金の場合は登録に時間がかからない

ネット上で登録をするのは、書類の受け取りや審査などで1週間程度かかってしまいますが、店舗で送金する場合はほとんど時間がかからず登録でき、すぐに送金することができます。

他の送金方法が何らかの理由で送金できない時もこの方法を使えば登録していなくてもすぐに送金することができます。

enRemitのデメリット

  1. 送金できる金額が限られている
  2. 現金払いしかできない
  3. サポートが日本人ではなく日本語が通じない場合がある

・送金できる金額が限られている

送金できる金額が1回100万円以下と限られているため、高額の送金には向いていません。メインの送金方法というよりは、パートナーへの費用や何かしら問題があった時の急ぎの送金など、サブの送金方法として使用するべきです。

・現金払いしかできない

こちらも銀行送金同様、現金払いしかできません。大したデメリットではないですが。

・サポートが日本人ではなく日本語が通じない場合がある

かなり怪しい日本語しか話せないサポートに当たる場合があります。初めて使用するときにこのようなサポートに当たってしまい、怪しいサイトなのかと不安になりましたが大丈夫でした(笑)。こちらも大したデメリットではありません。

paypal

中国輸入OEMではあまり使われることがないpaypalですが、場合によってはpaypalを使った方がよい場合があります。

paypalにかかる費用

paypalのメリット

  1. 補償が適用される
  2. カード払いができる

・補償が適用される

これがpaypalを使う一番のメリットです。初めて取引する相手や、やや信頼のおけない相手に対して送金するときに補償が適用されるというのはかなりのメリットです。

・カード払いができる

paypalの場合は、クレジットカードで支払いができます。ただしOEMの場合はクレジットカードの支払い期限以内に資金を全て回収することは難しいので、これを当てにして資金がショートしてしまわないように気を付けましょう。

paypalのデメリット

  1. 手数料が高い
  2. 受け取り手数料がかかる
  3. 対応していない会社もある

・手数料が高い

他の支払い方法と比べてかなり手数料が高いです。また、為替手数料も高いです。こちらはクレジットカードの標準レートを使うという方法である程度緩和できますが、いずれにせよ手数料は高いです。

手数料が高いといっても、商品代金は売値の1/3以下で、そのさらに数%程度なので利益が出ないほど圧迫してしまうわけではありません。(利益が出ない場合は商品選定が悪い)補償されるというのはかなりのメリットなので、不安な場合はpaypalで決済するのがおすすめです。

・受け取り手数料がかかる

受取手数料がかかってしまい、ほとんどの場合はこちらが負担することになります。

・対応していない会社もある

対応していないこともそこそこあり、そのような場合はこの選択肢を取ることができません。

また、不安な会社に限ってpaypal決済を許してくれないといったケースが多々あります。

送金方法まとめ

以上を踏まえ、

送金方法の使い分け

銀行送金:メインの送金

マネーグラム:パートナーへの支払いや急ぎの送金

paypal:初めての取引の場合や不安な場合の送金

このようにこれらの送金方法を使い分けることをおすすめします。

まとめ

本記事では、送金にかかる費用とおすすめの送金方法およびそれらの使い分けについて説明しました。

それぞれの目的に合った方法で海外送金をするようにしてください。