中国輸入でOEMをする際には,中国語が話せる人ではない限り、中国人パートナーか代行会社に工場との取引を仲介してもらう必要があります。
初心者の方は、代行業者を使ってOEMをすることが多いですが、中国人パートナーを使う方がメリットも大きいです。
優秀な中国人パートナーを募集・採用する方法【募集編】と【採用編】の2記事に分けて説明します。
本記事ではその前半の【募集編】についてお話しします。
現地人パートナーのメリット
現地人パートナーにはいくつかのメリットがあります。
代行会社を使う場合と比較検討するとよいでしょう。
メリットその① 融通が利く
中国人パートナーの一番のメリットは、融通が利くことです。
代行会社の場合は、工場を探してもらう時に、知り合いのいくつかの工場しか紹介してもらえない場合も多いですが、パートナーを使うことで、たくさんの工場から相見積もりを取ることができます。また、現地リサーチする場合には、通訳をお願いすることもできます。
材料をA社から購入してB社に送って加工し、C社で作ったパッケージに入れて販売する、など代行会社では引き受けてくれないようなお願いをすることもできます。
代行会社に依頼してOEMする場合は、結局他の中国輸入実践者も同じような工場で商品を作り、同じように販売するわけなので差別化するのが難しいです。
代行会社を利用しているパワーセラーもいますが、その場合は他の部分に強みを持っていないと厳しいです。
メリットその② 費用が安い
代行会社の場合は、その会社の利益と中国人社員の方の両方を負担する必要がありますが、パートナーの場合は、その人の分しかかからないので、比較的安く済みます。
代行会社の場合は、手数料が商品代金の数パーセントと設定されていることが多いですが、そもそも商品代金の高い低いによって手数料が決まるのは冷静に考えればよく分からない話ですし、よくある為替レート+1円の値段設定もちゃんと計算してみたらかなりぼったくられているということが分かります。
例えば、為替レートが16円の時、62,500元(1,000,000円)の仕入れをするとします。この場合、為替レートを17円で計算すると、62,500元は1,062,500円となり、62500円も余分にかかってしまいます。代行手数料が10%の場合、これも上乗せされたレートにかかってくるので、106,250円となり、合計すると17%近くも取られてしまうということが分かります。
パートナーに任せる場合は、3~5%程度、固定給にするならさらに低い費用で済みます。(ただし、パートナーに任せる場合でも通貨の変換は必要でその際にも為替手数料がかかることは注意が必要です。)
メリットその③ 自社の業務を任せられる
信頼できる中国人パートナーを見つけると、在庫管理などの重要な業務を任せることができます。
販売個数や在庫状況などの状況によってどのように追加発注するかを伝えておけば、自動で在庫を補充することができます。
勿論社員や日本人パートナーにやってもらう方法もあるのですが、間に入る人が増えるほど時間と費用が無駄にかかるので、出来れば少ない人数でやるべきです。
Amazonセラーセントラルの権限の一部を渡しておけば、商品ラベルのファイルを毎回送ることや、納品手続きをすることなど、実際に利益に直結しないが重要なことを任せることができます。
勿論この場合も、Amazonセラーセントラルの情報の重要な部分は伏せるべきですし、信頼できると判断するまでは任せるべきではありません。
しかし、自分の貴重な時間を商品企画などの最も価値の高いことに使うべきなので、雑務をお願いするメリットは大きいです。
デメリットの方ばかりを恐れてこのような業務を任せられない人は多いですが、そこはリスクだけを考えるのではなく、リスクリターンのバランス、期待値で判断するべきです。
リスクは回避するものではなく、ヘッジするものなので、総合的に判断してメリットが大きいと判断した場合は実践していくといいでしょう。
メリットその④ よい代行会社がない国でも使える
中国の代行会社は年々質が上がってきていて、ある程度融通がきく代行会社もあります。
しかし、東南アジアなどの工場でOEMをしたい場合、その国あるいは地域によい代行会社がないという場合も多いです。
その際にも、現地人パートナーを使うことにより、工場と取引することができます。
東南アジアの場合は、良い工場にアクセスすることは難しいので、優秀なパートナーを見つけ、良い工場を探してくれた場合には、安くて高品質な商品を自分だけ作れる、という状況を作ることができるようになります。
初心者はこのようなことはできず、大きな差別化になるのでかなりおすすめの方法です。
現地人パートナーのデメリット
現地パートナーはメリットも大きいのですが、デメリットもそれなりにあります。
デメリットその① 採用・教育に時間がかかる
まずいいパートナーを見つけることは、かなり難しいですし、もし優秀な人を見つけることができても、教育をするのは結構時間がかかります。
ただし、いいパートナーを見つけ、教育することができればかなりの武器になりますので、時間を使う価値はあると思います。
デメリットその② 信頼できるかどうか分からない
代行会社は基本的に日本人が関わっていて、日本にも事務所があることも多いので、ある程度は信頼ができますが、現地人パートナーの場合はその人が信頼できる人間なのか、出来ない人間なのか判断することが非常に難しいです。
お金を全て持ち逃げされてしまった、というようなことにならないよう注意が必要です。
デメリットその③ 配送料が高くなりがち
代行会社は取引量が多いので、よい配送レートを使って輸入をすることができますが、個人パートナーの場合はそのようなよい条件を持っていないことがほとんどなので,配送料が高くなりがちです。
OEMをする工場の配送レートを使用させてもらう、あるいは自社で運送会社で契約する、船便を活用するなどの工夫が必要です。
現地人パートナーを募集する方法
現地パートナーを募集する方法は、
- 掲示板で募集する
- クラウドソーシングサービスで募集する
- SNSで募集する
- 知り合いに頼む
- 日本語学校の近くで声をかける
です。
掲示板で募集する
これらの掲示板を使って、中国人パートナーを募集することができます。
どのサイトを選んでもいいと思います。大事なのはどのサイトを使うかではなく、どの人材を採用するかです。
クラウドソーシングサービスで募集する
クラウドソーシングサービスでパートナーを募集する方法もあります。
私はクラウドワークスしか使っていませんが、どれを使ってもいいと思います。
現在の中国人パートナーはクラウドワークスで見つけました。
SNSで募集する
facebookやtwitterなどのSNSで募集をするのも一つの方法です。
ただし、特にそのような仕事をしたいと考えてない人にメッセージを送るのは迷惑なので、相手もそれを望んでいるか考えてからメッセージを送る必要があります。
募集掲示板がなかったり、クラウドソーシングサービスで人が少ないような国の場合にはこの方法がおすすめです。
知り合いに頼む
知り合いに現地の言語ができる暇そうな人がいれば、その人にやってもらうのが一番確実です。
現地人の方がアテンドができることと、言語や文化が同じなので現地の工場と取引しやすいということから、現地人のパートナーを採用することをおすすめしていますが、知り合いに現地の言語ができる人がいる場合は、信頼度の面でかなり期待できるので、この場合は日本人でもいいと思います。
外国人留学生に声をかける
私が京都に住んでいた時、よく鴨川に行って外国人留学生と異文化交流をしていました。そのあと仲良くなって一緒に遊びに行くこともありました。
外国人留学生はその友達も別の国からきているので、レアな国出身の人とも容易に知り合えます。もしその人が手伝えないとしても、その人の友達の現地の人を紹介してもらうこともできます。
ネット上でなかなか見つからないような国の場合はこの方法が適していますし、またネットで知り合った人よりも多少信頼がおけます。
まとめ
現地人パートナーのメリットと現地人パートナーを募集する方法について説明しました。
よいパートナーを見つけることができれば、ビジネスが非常に楽になりますので、根気強くいい人材を探すことが大切です。
優秀なパートナーを味方につけることができれば、ビジネスを優位に展開できるでしょう。
後半の【募集編】については以下の記事を参考にしてください。