中国輸入で工場から商品を仕入れる際に、できるだけよい条件で仕入れる必要があります。例えば、より安い条件で仕入れることでライバルに差をつけることができます。
しかし、交渉するべき項目は値段だけではありません。値段は工場の側もなかなか下げるのは難しいケースが多いので、その他の項目を交渉する方が良い結果が出ることが多いです。
本記事では、交渉するべき項目と交渉の仕方について説明していきたいと思います。
交渉するべき項目
値段
まず、一番効果が大きいのが値段交渉です。値段が下がれば利益をそれだけ増やすことができるので、値段を交渉して損はないです。
ただし、工場側としても値段を下げてしまうのは利益の減少に直結してしまうので、なかなか難しいです。それでも交渉の仕方によっては値引きしてもらうことができる場合も多いです。
単に値段を下げることは難しいですが、仕入れの数を増やせば値段を下げてもらえることは多いです。仕入れの数を増やしてしまうと滞留在庫が増えてしまいますが、それでも値引きの効果が上回れば仕入れ数を増やすという判断をした方がよい場合もあります。
例えば、商材によっては大量に仕入れることで値段が7割下がる、というようなケースもあり、そのような場合では6カ月分の在庫を抱えるということも考えられます。販売数、割引率、納期など様々な条件を考慮に入れ、適切な仕入れ数を判断するようにしましょう。
値段交渉はしておいて損はないので必ず行うようにしてください。
ロット、納期
ロットとは最小購入量のことです。ロットについても交渉で下がる場合があります。ロットを下げることができれば無駄な在庫を減らし、それだけ資金を有効的に使うことができるので、こちらも交渉しておいて損はないです。
商材によってはロットが1000以上というようなケースも珍しくはないです。月に300個しか売れない商品のロットが1000個の場合は、大量の滞留在庫が出てしまい、それだけ資金を有効的に使うことができなくなります。そして、在庫リスクも大きくなってしまいます。
1000個の時には仕入れが難しい場合でも、交渉してロット数を500個に減らすことができれば、利益が大きい商品になり得ます。利益が出そうだけれどロットが大きすぎるという商材の場合は、このようにロットを交渉する価値が高いです。
また、納期についても長くなるとそれだけ在庫を多く持つ必要があるのでロットと同じように資金の固定化につながります。こちらも可能であれば良い条件で取引したいところです。
OEMの内容
OEMの内容についても交渉する価値が高いです。
例えば、○○の素材を使ってくれ、もっと△△のように改良してくれ、というように商品の開発についても入念に交渉を重ねる必要があります。また、化粧箱や付属品についても交渉をしてつけてもらうことができる場合もあります。
良い素材を使用すればそれだけ値段も上がりますし、1から作っていくとそれだけロット数も増えるので、今までの項目との兼ね合いで判断する必要があります。
気を付けるべきなのが、目指すところは値段が安いことでもなければ、ロットが少ないことでもないです。限られた資金の中で利益を最大化する商品の開発をすることが目的です。この観点から総合的に判断して、一番良い条件になるように交渉していくようにしましょう。
その他
上で述べたものに加え、検品や発送などに関することで交渉しておいた方がよい事柄があります。
例えば、具体的にこのような基準で検品してほしい、と言っておくことで、検品の負担を減らしたり、場合によっては検品をする必要をなくすことができます。
また、交渉することで納品シールの貼り付けをしてくれる工場もあります。これを行うことで負担やコストを下げることができ、また不良品が少ないような商品は直接Amazonに納品してもらうことも可能になります。
他にも小さなところで有利になるようなことがあると思います。値段交渉などにはなかなか応じてくれないような工場でもこのような小さいことなら頼めばしてくれることも多いです。始めから無理だと諦めず、様々な事柄について交渉をしていくようにしてください。
より良い条件で仕入れる交渉術
相手にメリットを示す
相手も自分にとってメリットがなければ交渉に応じてくれません。値引きしてくださいと単に言うだけではほとんど意味がないです。このことは当たり前のことではありますが、常に相手の視点に立って考えるということは忘れてしまいがちです。
具体的にどのようなメリットを示すべきかというと、まずは長期的に取引するつもりがあるということを示すといいです。長く商品を販売しているという実績を見せれば、これからも商売を続ける可能性が高いと判断し、安心して条件を緩くしてくれることがあります。ビジネスの世界は全く平等ではなく、自分の強みを見せて常に有利に取引を進めるべきです。
他にも、十分な資金力があるので、よい商品を作ってくれさえすれば他の商品の開発についても考える、ということを見せてもいいかもしれません。
とにかく相手が自分と取引をしてメリットがあることを示せれば有利な条件をもらうことができます。勿論、嘘はいけませんよ。
相見積もりで競争させる
複数の工場を競わせることによって、有利な条件で仕入れることができる場合があります。他の工場はこういう条件で来てるという証拠を見せ、○○の条件だったらそちらの工場で生産する、ということを言えば始めよりも有利な条件で仕入れることができることもあります。
ビジネスの世界は常に競争なので、目の前にライバルを出してあげるとうまくいくことも多いです。やりすぎると反感を買うので注意が必要です。
特に東南アジアの国では相場があってないようなものなので、競争させることで大幅に値引きすることが可能です。
実際に会って話す
これが一番おすすめの方法です。
私も以前、中国のとある工場の社長と実際に会って話すことでかなりいい条件をもらったことがあります。
その時はまだ大学生の時で、若いから応援してやるよ、ということがあったとはいえ、在庫の負担が全て向こう持ちで売れた分の利益は折半という破格の契約を得ることができました。
ここまでは珍しいですが、実際に会って食事などをすることにより良い条件で取引できるというケースは少なくないです。
特に大きな取引の場合は現地まで行って、実際に話をしに行くことは非常におすすめです。
まとめ
本記事では、中国輸入でOEMする際に交渉するべき項目と、その交渉術について説明しました。
交渉をする際には、値段などの条件に加えて、細かなこともお願いすることでよい条件を得ることができます。
相手の立場に立って、お互いのメリットを考えることで有利な条件で取引をすることができるようになるでしょう。
本記事を参考にして、良い条件で取引ができるようになっていただければ幸いです。