中国輸入OEMで1商品30万円以上の利益をあげるための商品企画

転売(相乗り出品)の場合の商品リサーチとは、商品がどれだけ売れているか、競合は何人いるか、利益はいくら出るか、という事を調べることですが、OEMのリサーチ方法は全く違っています。

OEMの場合は、それぞれの商品に加え、その市場全体を分析していく必要があります。稼げる商品をリサーチするというよりは、市場を分析して稼げる商品を企画していく、という方が正しいです。

本記事では、市場分析をするための重要な概念と、その調査をする方法について説明していきます。

バリュー・プロポジション

オリジナル商品を作る際に重要な概念である、3C分析、バリュー・プロポジションについて説明します。

3Cとは顧客(Customer)競合(Competitor)、自社(Company)のことを指します。

この3つのCを分析して販売戦略を立てることを3C分析といいます。

3つのCを満たす商品、つまり顧客が望んでいて(需要があり)他社が提供できず(市場にない)、自社が提供できるような上図の赤塗りの部分をバリュー・プロポジションといいます。

結論を言うと、このバリュー・プロポジションに入る商品が稼げる商品です。

市場分析をして、ここに入る商品を企画することがOEMにおける商品企画の目的です。

このように、市場分析と商品企画はセットで行っていく必要があります。

また、よく差別化、差別化といいますが、このバリュー・プロポジションに当てはまらないような差別化は意味がありません。

例えばブランドロゴをつけて差別化する、というような手法がとられることがあります。これは確かに自社は提供できるでしょうが、他社も提供できますし、顧客も望んでいません。そのため差別化の手法としては成り立ちません。

以下、商品を作る際に分析するべき3つのCについてそれぞれ詳しく見ていきましょう。

顧客(Customer)

Amazonでの市場分析

まずは顧客が望む(需要がある)商品である、というのが1つ目の条件です。

いくら自分でいい商品だと思っていようと、顧客が望む商品でなければ意味がありません。

顧客のニーズを理解するのに一番いい方法が、売れている商品を分析する、ということです。

売れ筋ランキングを調べる

Amazon売れ筋ランキング

上の画像の商品でいうと、大カテゴリは「ホーム&キッチン」、中カテゴリは「キッチン用品・食器」、「鍋・フライパン」、末端カテゴリは「両手鍋」です。

ランキングは全て100位以内のものが表示されますが、中級者以上の方は中カテゴリ、初級者の方は末端カテゴリを調べるのがいいでしょう。

具体的にどのような性質の商品がよく売れているのかを調べることによりニーズがある程度掴めるでしょう。

商品カテゴリの市場規模

初心者の方は在庫リスクや競合を恐れて売り上げの小さい商品カテゴリを選んでしまいがちですが、1商品で少なくとも月商50万円、できれば月商100万円以上の商品を作るようにしましょう。

私もはじめは月商20-30万円の商品ばかり作っていましたが、ある時一念発起して売り上げの大きい商品カテゴリに挑戦したらすぐに1商品で月商200万円を超えました。

月商がある程度大きいカテゴリを狙う理由ですが、MOQ(Minimum Order Quantity:工場などからの最小購入量)の関係である程度月間の売上個数が多い商品でないと、在庫の滞留期間が長くなりキャッシュフローが悪くなってしまうのと、月商が小さいと販売する商品種類が増えてしまい、管理が大変になるからです。

カスタマーレビュー

Amazonで商品を販売する際に、顧客のニーズを分析するために2番目に有効な手段が、カスタマーレビューを分析する、という方法です。

いくつかの競合商品、または自社商品に対して投稿されたカスタマーレビューを読むことで、その市場のニーズについてある程度掴むことができます。

どのような機能がいいのか、あるいはどのような大きさやデザインがいいのかという事が分かります。

また、例えば「ビジネスの時に使用しています」などのコメントが複数あれば、ビジネス用に特化したものを作っても需要があるな、というようにニッチを発見することもできます。

他のECモールの分析

重要なのは他社が満たせていないニーズです。

つまり、需要はあるが他社が提供できないような商品を企画しなければなりません。

他の場所では売れているけどAmazonではそれに該当する商品がない場合は参入のチャンスです。

このように、楽天やヤフーショッピングなどの他のECモールを分析することで競合はいないがよく売れる商品を発見することができます。

また、ECモールではなく実店舗を調査してもよいでしょう。

実店舗の場合は売れているのかよく分からないケースが多いので、必ずその商品がよく売れているか複数の店舗に聞くようにしてください。

そこまでやっているセラーは少なく、チャンスのある商品が眠っているかもしれません。

アンケート

ニーズを調べるためにはアンケートを取って実際に聞いてみるのが手っ取り早いです。

どのようなところでアンケートを取ってもいいと思いますが、例えばベビー&マタニティの商品を扱う際にはシュフティというサイトで募るなど、その商品を欲しいと思うようなターゲットにアンケートを取るようにしてください。

ここまでやっている出品者はほとんどおらず、カスタマーレビューよりもさらに直接的にニーズを知ることがでるのでかなりおすすめの方法です。

また、予想外のアイデアを提案してもらえることもあります。

自分一人でアイデアを考えるよりも実際のターゲットの意見を聞く方が時間もかからず、質の高いアイデアを出すことができます。

多少お金はかかりますが、1人100円程度でも十分に人は集まります。商品を販売して利益を出すことを考えたらこの出費は安いです。

またアンケートを取る際には、「自由にお書きください」というようなアンケートよりも、具体的な項目をいくつか用意して、それに対して答えてもらう形式の方が、より自分の知りたいことが知れるので適しています。

その他

SNSやブログ、2ちゃんねるなどから情報を収集することで顧客のニーズを深く知ることができる場合もあります。

例えばマニアが好むような商品はニーズがどこにあるのか分かりにくい場合が多いので、これらの情報を参考にするのがよいでしょう。

また、商品を実際に知り合いにあげて意見を聞くのもいい手段です。

リアルな意見が聞けるので、商品の再開発や次の商品の作成に役立てることができるでしょう。

競合(Competitor)

商品企画において競合の分析をすることは不可欠です。

競合を調査するためには、そのカテゴリの商品ページをいくつか見ていくとよいでしょう。

競合について分析する際には、「出品者」と「商品」の両方に着目してみていく必要があります。

出品者評価

出品者評価は、商品ページの「この商品は、〇〇が販売し、~」のところから確認することができます。

評価はだいたい5%くらいの人がしてくれると考えてよいので、この出品者は1年間で84000点くらい販売しているパワーセラーだという事が分かります。

相手が強い出品者の場合は、真っ向勝負を仕掛けても勝ち目はないでしょう。

画像

商品ページで一番目に付くのが商品画像です。

パワーセラーは確実にここを押さえています。

デザインがきれいなこと、訴求点が一目でわかることなどが良い画像の条件です。

例えば上の商品画像は一目で訴求点が分かり、デザインも素晴らしいです。

初心者の方は他の売れている商品やあるいは売れていない商品を見比べてみるといいと思います。

やはり売り上げが大きいセラーは画像が素晴らしいことが多いです。

逆にここで手を抜いている出品者は他のところも手を抜いている可能性が高いです。

画像が微妙な商品が上位ページにきているような場合は積極的に参入を検討してもいいかもしれません。

販売数

Amazonランキングを調べることでその商品がどれだけ売れているのかが分かります。

このランキングは随時変動しているので、具体的にどれだけ売れているのかは他の方法で調べた方がいいです。

参考:Amazonで販売している競合他社の商品の売り上げを丸裸にする7つの方法

競合の出品者が強くても、販売数が多い場合は少しシェアを奪うだけでも大きな売り上げになるので、商品がどれだけ売れているのかは非常に重要な要素です。

商品仕様

商品仕様の項を見て、商品自体の性質を調査しましょう。

具体的にはどのようなスペックで、どのような機能があって、どのような点が長所なのかということです。

下の画像のように商品情報の項目や商品画像、商品説明文も確認するようにしてください。

いくつかの競合商品について調べ、どのように差別化するかなどの商品企画に役立てましょう。

カスタマーレビュー

顧客分析の際にも参考にしたカスタマーレビューですが、競合を分析する際にも重要です。

よく売れているのに評価が悪い、という場合は商品の需要はあるけど競合が弱い、という可能性が高いので非常にチャンスがあります。

また、商品説明に書かれていないような特徴についても知ることができます。

例えば、「内側の作りが雑だった」というようなコメントがあれば内部もしっかり作りこむことだけでも、競合より品質の高い商品を作ることができます。

実際に購入してみる

競合の商品を実際に購入してみることによって、商品ページだけでは分からなかった商品の特徴について知ることができます。

購入するだけでなく、実際に使ってみて何か改善できる点はないかなど調べていきます。

また、使用者の立場に立ってみるとどのような商品を作ればよいかというのが見えてくることもあります。

競合の商品全てを購入するのは予算の都合上厳しい場合があると思いますが、少なくとも一番売れている商品やベンチマークする商品は購入してみるようにしてください。

自社(Company)

競合と差別化するためには、自社の強みが不可欠です。

パワーセラーは必ず何かしら自社の強みを持っています。

自社の強みがない場合は結局転売と同じようになり、競合が増えるのを黙ってみているか、価格競争をして利益が減るのかのどちらかになってしまいます。

中国輸入の場合は、販売するカテゴリの専門知識があり他社が作れない商品を作れる、質の高い商品を作る工場を取引先に持っている、優秀なデザイナーがいる、自社発送の仕組みがあり低価格商品でも利益が出せる、資金力がありボリュームディスカウント(いっぱい買うから安く売って)で仕入れ値を下げられる、などが自社の強みになります。

自社の強みというと大げさですが、競合他社より優れていればそれは十分強みになります

例えば中国人セラーが競合の場合、不良品がほとんど出ないような商品を作るというだけでも十分な強みになります。

初心者の方が心がけるべきこと

本来は、初心者のまま差別化することを考えるのではなく、上級者になってポジションを作ることが大切なのですが、そうは言っても行動しなければ何も始まらないので、初心者の方はまず何をすればよいか説明します。

初心者の方はいきなり他社が作れないようなものを作るのは無理なので、まずは需要はあるけど市場にはないような商品を供給するようにしてください。

その具体的方法については以下の記事を参考にしてください。

中国輸入OEMで商品を差別化する9つの具体的な方法

また、自社の強みはユニークなものでなくてはならないので、具体的にこのようにした方がいいというのはなかなか申し上げにくいのですが、初心者の場合はとにかく色々な工場を探して、より安く、品質の高い工場を見つけることに注力することをおすすめします。

一度そのような工場を見つけてしまうと同系統の商品で自社のポジションを確保することができるようになります。

あれこれ色んな商品に手を出すよりも、ある分野に特化して自社の強みを生かして少ない商品数で勝負する方がOEMの販売戦略としては適しています。

初心者が一番苦労するのが、この自社の強みを作るというところです。

しかし、一度強みを持つと隠れた資産になりますので、意識的に自社の強みを作り上げていきましょう。

まとめ

顧客(Customer)、自社(Company)、競合(Competitor)の3Cを分析してバリュー・プロポジションを見つける方法について説明しました。

入念に市場分析したうえで、上辺だけの差別化ではなくバリュー・プロポジションを満たすような本質的な差別化をして、長期的に売れ続ける商品を製作することを目指すようにしてください。