その商品市場の規模はどのくらいなのか、同カテゴリの商品であってもどのようなものが売り上げが大きいのか、同じ商品ページ内であってもどのような規格(大きさ、材質、色など)の商品が売れているのか、あるいは同じ商品であってもどのような季節によく売れているか、などのデータを取得することは商品を販売していくうえで不可欠です。
もしこれらのことを調べるのを怠ると、過剰に在庫を仕入れてしまったり、あるいは在庫が足りずにせっかく上位に表示させていたページが圏外にとばされてしまったりしてしまいます。
このようなことにならないためにも、必ず他社が販売している商品の販売個数を測定するようにしましょう。
また、1つの方法だけでは調べきれない場合があるので、いくつかの方法を組み合わせて調べる必要があります。
ここではAmazonで販売している商品の売り上げを測定する7つの方法を紹介していきます。
ランキング変動ツールを使う
一番手っ取り早く調べる方法が、モノレートなどのランキング変動ツールを使う方法です。
だいたいどのくらい売れているのかを時間をかけずに調べることができるので非常に便利です。
モノレートで調べたい商品を検索する
モノレートの検索窓にASIN(Amazonでの商品ごとの識別番号)やキーワードを打ち込んで「グラフを見る」ボタンを押します。
ランキングの変動回数を調べる
ランキングが下がったときは商品が売れたときなので、その回数を調べることで販売個数を調べることができます。
下のグラフだと3か月で18回変動しているので1か月でだいたい6個くらい売れるという事が分かります。しかし、よく売れる商品であれば、下のグラフのようになり、いくつ売れたか調べることは難しいです。
そもそも1回グラフが下がったからといって2個以上売れた可能性もあり、この方法では正確な販売個数を調べることは難しいです。
あくまでだいたいどれくらい売れているか、季節ごとにどれだけ売上個数が変わっているかなどを手軽に調べる方法ですので、より性格な情報が欲しい場合は他の方法で調べるようにしましょう。
カスタマーレビュー数から推測する
カスタマーレビューの数からおおよその販売個数を予測することができます。
レビューは商品やカテゴリによって差はありますが、だいたい0.5~2%くらいの人がしてくれます。ですから、
販売個数=(レビュー数)÷(0.5~2)×100÷(販売開始から経過した月数)
で推測することができます。
販売開始の時期については、「登録情報」の「Amazon.co.jp での取り扱い開始日」ではなく、下のように初めてレビューが書かれた日を参考にした方がいいです。
「登録情報」は後から変更することができますし、カタログを作り直すこともできるからです。
この商品のケースだと、先ほどの公式に当てはめて、月間945-3780個程度売れているという事が分かります。
販売個数はカタログ全体での合計の個数です。この商品の場合は5バリエーションあるのでその合計です。
この方法も正確な個数を割り出すことはできませんが、大まかな販売個数を調べることには適しています。
より詳細なデータがほしい場合は以下の方法で調べてください。
商品をカートに入れて在庫数の変動から調べる
調べたい商品をカートに入れる
まずは調べたい商品をカートに入れます。
カートに入れる数量は「1」で構いません。
カートの編集をする
「カートの編集」ボタンを押し、カートの中の商品の数量を変更します。
数量の項目から「10+」を選択
数量は1から10までしかないですが、それ以上をカートに入れるために「10+」を選択します。
数量を「999」に変更する
数量を「999」に変更し。「更新」ボタンを押します。
商品の現在の在庫数が分かります。
在庫数の変化を調べる
在庫数の変化を調べるために毎日在庫がどれだけ減ったか記録しておきます。
「毎日」というところが肝で、理由は出品者が在庫を追加する場合があるからです。
15日の在庫変化を調べようとして15日後に在庫を調べようとしたら在庫数が増えていた、というようなことにならないためにも、必ず毎日在庫数の変化を調べ、減った数の合計から販売個数を調べるというようにしてください。
また、在庫の変化を調べる日にちは少なくとも1週間、できれば2週間程度は取るようにしてください。
3日などの短い期間だと、商品がたまたま売れた、もしくはたまたま売れなかった可能性があるので正確な月間売上個数を調べることが来ません。
在庫追跡ツールを使う
「商品を在庫に入れて毎日在庫数の変化を追う」という方法を紹介しましたが、この方法は酷く面倒くさいので、普通はこれを代わりにやってくれるツールを使用します。
必ずツールは使った方がいいです。
どんなツールでもいいと思いますが、あまログやThe Top Sellerなどを利用しておけば問題ないでしょう。
ツール代を節約するために無駄な時間を使っていたのでは本末転倒です。
人生の限られた時間を有効に使うためにも、このような効率の良いツールは積極的に使うようにしましょう。
この方法は確実に販売個数を調べることができますが、上の画像のように商品情報のページにて最大注文個数が設定されている商品については調べることができません。
そのような商品の販売個数を調べる方法を以下で説明していきます。
ランキング前後の商品の在庫変動を調べる
調べたい商品のランキングの前後の商品を調べることにより、おおよその販売個数を予測することができます。
上の画像では売れ筋ランキングを表示していますが、このランキングは変動が大きいのでより正確に調べるためには月間ランキングで近いランキングの商品を調べる方がいいです。
この方法だと最大注文個数が設定されている商品についてもある程度正確な販売個数を調べることができます。
また前後の商品のランキングも変動していくので、より多くの前後の商品をチェックすることで正確さが増します。
ランキングにより予測する
あるカテゴリをよく理解するようになると、ランキングによりだいたいの販売個数を予測することができるようになります。
例えば、ホーム&キッチンで〇〇位の商品だから月間△△個くらい売れているんだろうな、という具合です。
ランキングによる推測は月や年によっても違いますし、当然正確なものではありませんが、ランキングによりだいたいの予測ができるようになるとリサーチが大幅に楽になります。
あるカテゴリに参入する際には、そのカテゴリの様々なランキング帯の商品の在庫数の変化を追跡して、〇〇位だったら△△個くらい売れる、というだいたいの感覚を身につけるようにしましょう。
ビジネスレポートを使う
ビジネスレポートは基本的に自分が販売している商品のセッション(カスタマーが訪問した数)、ユニットセッション率(訪問した客のうち購入した数の比率)、月間売上(個数、売り上げ額)などを調べるためのものですが、これを使って他社が販売している商品の販売個数を予測することができます。
セラーセントラルトップページから「レポート」→「ビジネスレポート」→「商品別詳細ページ 売上・トラフィック」と進みます。
ビジネスレポートの「セッション」の項目は出品者ごとではなく、商品ごとに算出されます。
従って、相乗り出品をすることでその商品のセッション(カスタマーが訪問した数)を知ることができます。
販売個数=セッション×ユニットセッション率
で求めることができるので、ユニットセッション率が分かれば販売個数が分かります。
正確な他社のユニットセッションを調べる方法はありませんが、自分の場合はだいたい15~25%程度です。
これはカテゴリや商品によって違うので一概には言えないですが、これを目安に見積もっても大きくは外れないと思います。
実際に商品が売れなくてもセッション数は調べることができるので、相乗り出品をするだけでデータを取ることができますが、商標権のある販売ページに相乗り出品すると警告を受ける可能性があり、また在庫を持っていない商品を販売することもAmazonの規約に反することなので実践する場合は自己責任でお願いします。
まとめ
Amazonで販売している商品の売り上げを測定する7つの方法をご紹介しました。
- ランキング変動ツールを使う
- カスタマーレビュー数から推測する
- 商品をカートに入れて在庫数の変動から調べる
- 在庫追跡ツールを使う
- ランキング前後の商品の在庫変動を調べる
- ランキングにより予測する
- ビジネスレポートを使う
実際に競合他社の売り上げを予測するときはこれらの方法を組み合わせて行います。
例えば、商品リサーチ初期の段階では簡単にデータが取れる1、2、6、7を使って大まかに絞り込みながら4の在庫追跡ツールに登録しておき、実際に商品を仕入れる段階になって4、5のデータを使って仕入れ個数を決めるというような使い分けがおすすめです。
これらの方法をぜひお役立てください。