【知らないと大損!?】Amazon在庫保管手数料と長期保管手数料

Amazonで商品を販売する際に、FBA(フルフィルメント by Amazon)を利用すると在庫の管理から注文管理、配送までを自動的に行ってくれるのでとても便利です。

しかしFBAを利用する上では、配送手数料と同時に在庫保管手数料についても気をつけなければなりません。

これが盲点で意外とコストがかかっていて、「意外と利益が残っていないな」と感じる方はこの在庫保管手数料や長期保管手数料を見直してみた方がよいケースがあります。

本記事ではAmazon在庫保管手数料と長期保管手数料の詳細とそれらを調べる方法について説明したいと思います。

在庫保管手数料について

在庫保管手数料の計算方法

期間 小型/標準 大型商品
1月~9月 5.070円
x [商品サイズ(cm3)]/(1000cm3
x [保管日数]/[当月の日数]
4.290円
x [商品サイズ(cm3)]/(1000cm3
x [保管日数]/[当月の日数]
10月~12月 9.000円
x [商品サイズ(cm3)]/(1000cm3
x [保管日数]/[当月の日数]
7.615円
x [商品サイズ(cm3)]/(1000cm3
x [保管日数]/[当月の日数]

気をつけないといけないのが、1月~9月と、10月~12月で在庫保管手数料が違うという点です。

昔は一律だったのですが変更になっているので計算する際には注意してください。

また、実際に在庫保管手数料は日割りで計算されているので、全ての在庫に対してそれぞれ計算する必要があります。

例えば、10 × 10 × 10 cm3の商品1個を10月~12月に30日保管する場合は、

9.000 ×10 × 10 × 10 / 1000 × 30/30 = 9円

となりますが、

10 × 10 × 10 cm3の商品が月に300個売れ、その商品の在庫が300個ある場合、一番長い在庫は確かに30日滞留しますが、最も早いものだと1日で売れるので、在庫保管平均日数は半分の15日になります。

そのためこの商品の在庫全体では、

9.000 ×10 × 10 × 10 / 1000 × (30 ÷ 2)/30 ×300 = 1350円

となります。

これは在庫が売れ切っているケースの話なので滞留在庫が多い場合にはこれの何倍もコストがかかります。無視して計算していいほどの項目ではないと分かります。

事務所や自宅で保管できるスペースのある方は、余分な在庫はAmazonの倉庫ではなく自分で管理する方がいいです。

また、上記のサイズは厳密には商品のサイズではなく、梱包サイズです。従って、Amazonの計測結果に基づくものなので、実際には上記より高くなることがあります。

FBAシミュレータ

簡易的に計算したい場合は、Amazonが提供するFBAシミュレータを活用するとよいです。

ASINを入力し、「計算」ボタンを押すだけです。

この商品は月額保管手数料が11円だということが分かります。

しかし、これはあくまで1つの在庫を30日間保管した場合なので、より厳密に計算したい場合は先ほどの計算式に当てはめて自分で計算したほうがいいです。

実際にかかる在庫保管手数料の調べ方

実際に自分がどれくらい在庫保管手数料を払っているのかというのは、セラーセントラルから調べることができます。

セラーセントラルトップページの「レポート」→「ペイメント」→「トランザクション」へと進みます。

絞り込む:「サービス料金」として「商品の詳細」のところにFBA保管手数料と記載されているところに記載されています。

この月の場合は50,650円かかっていて、意外とばかにならないということが分かっていただけると思います。

実際に月にいくらくらいかかっているのか一度チェックしてみてください。

かかりすぎている場合は一度在庫管理の方法を見直した方がよいでしょう。

ASINごとの在庫保管手数料の調べ方

先ほどは在庫保管手数料が全体でいくらになるのか調べる方法をご紹介しましたが、ASINごとに調べる方法もあります。

セラーセントラルトップページの「レポート」→「フルフィルメント」より、「在庫保管手数料レポート」へと進みます。

「ダウンロード」の項目より、期間を選んで「.csv形式でのダウンロードをリクエスト」します。

しばらく待つとレポートがダウンロードできます。

同じASINでもいくつかに分かれている場合がありますが、それはフルフィルメントセンターが分かれているケースです。ASINごとに調べたい時はソート機能などを使って見落としのないようにしてください。

長期保管手数料について

長期保管手数料の計算方法

在庫一掃チェック実施日 フルフィルメントセンターに365日を超えて保管されている商品
月1回(毎月15日) 17.45円(1000cm3あたり)もしくは1商品あたり10円の大きい方

在庫保管手数料と違うところは、日割りで計算されるわけではなく、月に1回(毎月15日)に一斉に計算されることと、容量当たり、もしくは1商品当たりでの金額の大きい方が適用される点です。

また、見逃してはいけないのが、在庫保管手数料と長期保管手数料は重複します。

365日を超えて保管されている商品については在庫保管手数料と長期保管手数料が両方課金されてしまうので、かなり大きな出費になります。

長期保管手数料がかかってもいいケースというのはないと言っても過言ではありません。半年で長期保管手数料が発生していた以前なら致し方ない場合もありましたが、1年も滞留在庫があるのは明らかな在庫管理ミスですので、在庫管理を見直すか、あるいはその商品の販売を見直した方がいいでしょう。

長期保管手数料の調べ方

在庫保管手数料と同様に、セラーセントラルトップページの「レポート」→「ペイメント」→「トランザクション」から絞り込む:「サービス料金」として調べることができます。

課金されていない場合は表示されません。

長期保管手数料がかかりそうなASINの調べ方

長期保管手数料が課金されないように、あるいは滞留期間の長い在庫があるASINはないのかを調べる方法があります。

セラーセントラルトップページの「レポート」→「フルフィルメント」の「在庫」の項目より、「表示を拡大…」をし、「在庫の保管日数レポート」へと進みます。

「ダウンロード」の項目より、「.csv形式でのダウンロードをリクエスト」します。

しばらく待つとレポートがダウンロードできます。

各ASINごとの「保管日数が90日以内の在庫数」、「保管日数が91~180日の在庫数」、「保管日数が181~270日の在庫数」、「保管日数が271~365日の在庫数」、「保管日数が365日以上の在庫数」などを調べることができます。

長期保管手数料がかかるところまではいかなくても、在庫期間が長いASINについては在庫管理を見直すようにしましょう。

まとめ

今回はFBA在庫保管手数料と長期保管手数料についての記事でした。

仕入れ値や配送料などと比べると小さい金額なので知らなかった、もしくはあまり考えていなかった人も多いのではないでしょうか。

塵も積もれば山となるではないですが、在庫保管手数料を甘く見ているとかなり利益が圧迫されてしまうということがお分かりいただけたと思います。

また、在庫保管手数料が(売り上げに比べて)大きい人は、同時にキャッシュフロー管理にも失敗しているケースが多いです。何故なら多くの在庫を抱えているということはそれだけ資金が固定化されてしまい、仕入れに使える資金が少なくなってしまうからです。

勿論戦略的に(ボリュームディスカウントなどで)在庫数を多く抱えているという場合などは問題ありませんが、何も考えずに滞留在庫が多く、在庫保管手数料がかかっているという場合には在庫管理を見直したほうがいいでしょう。

自分がそのような状況になっていないのかを調べるためにも、是非とも上記の方法で在庫保管手数料や在庫日数などを調べてみるようにしてください。