商品を始めて仕入れる際、或いは追加で商品を仕入れる際に、どれくらいの個数発注したほうがよいのでしょうか?
初心者の方の場合は勿論、中級者以上の方でも悩む方は多いと思います。
在庫管理にはある程度完成された理論があり、本などで学習できますが、数字が苦手な人の場合なかなか理解するのが難しいと思います。そのため、本記事ではできるだけ分かりやすく説明していきたいと思います。
仕入れ個数を判断する要素
仕入れ個数を判断する要素として、
- 販売数
- 販売数変動
- 商品の寿命
- ロット数
- 割引率
- リードタイム
- 配送にかかる時間
が挙げられます。
その他にも考慮するべきことはありますが、ここを押さえておけばほぼ問題ないです。
販売数
在庫数を判断する上で一番重要のは、勿論販売個数です。
実際に売れている個数を元に仕入れ個数を判断するのは正しいですが、以下で説明する他の要素も考慮に入れて総合的に判断するべきです。
販売数変動
販売数が時期によって大きく変動する商材の場合、仕入れ個数はそれを元に変動させるべきです。
例えば水着のような商品は、夏によく売れますが、冬はあまり売れません。このような極端な場合でなくても、時期によって変動する商材は多いです。
また、一般的に12月は商品がかなりよく売れます。
商品の寿命
商品には必ず寿命があります。
例えば、switchのケースを販売している場合、次のゲーム機が発売されてしまうと売り上げが激減してしまいます。また、真似されやすい商品を作ってしまったために他の出品者に真似されて価格競争になってしまい、寿命を迎える、というケースもあります。
よく売れていたので大量に仕入れたけど寿命が来てしまった、ということがないように注意しなければなりません。
そのため、外部の情報には常に注意しておくようにしてください。
また、商品寿命を延ばすのに一番重要なのは真似されにくい商品を作ることです。商品を差別化するための理論は以下の記事を参考にしてください。
中国輸入OEMで1商品30万円以上の利益をあげるためのリサーチ方法
ロット数
月の販売数が500個の場合、本当は月に1回500個ずつ仕入れたいけれど、ロット数が1000個なら500個の単位で仕入れることができません。
このような場合は2か月に1回仕入れることになりますが、仕入れた直後などは在庫数が膨大になってしまいますので、在庫リスクに十分注意して仕入れをするべきです。
このように、ロット数によって仕入れの個数や在庫数が変動する場合があります。
割引率
ロット数は月の販売数より小さく、上記のようなことは起こらない場合でも、仕入れ数による割引率が大きく、仕入れ個数を販売個数より多くした方が得になるようなケースもあります。
例えば月に2000個売れる商品で、最小ロットが1000個で、5000個以上仕入れる場合は1000個仕入れる場合の5割引きになるようなとき、5000個を仕入れる方が得になるケースがあります。
ただ、計算してみると分かりますが、かなり割引率が大きい場合でも投下資本利益率は最小ロットで仕入れた時の方が大きくなります。小ロットの場合は資金回収までの期間が短く、はじめの期間の利益を再投資でき、複利の効果を得られるメリットがあるからです。
しかし、安い値段で仕入れることができる場合はそれがそのまま競争力になります。競合が入ってきた場合も利益が確保できることは商品寿命を延ばすことにつながるのです。
商品を新たに開発することは資金も時間もかかるので、割引率が大きい場合は投下資本利益率を多少犠牲にしてでも仕入れ数を大きくすることが最適なことが多々あります。勿論この戦略はある程度その商材の売り上げが大きいことが条件になります。
リードタイム
発注してから生産完了するまでの期間をリードタイムと言いますが、この期間も在庫管理には重要です。
リードタイムを考えずに在庫がほとんどなくなってから仕入れをしていると、在庫が枯れてしまいます。Amazonで販売する上で在庫がなくなってしまうというのはかなりの悪です。在庫切れの間にSEO的にどんどん弱くなってしまい、順位が急激に落ちてしまうからです。
初心者の場合は、在庫リスクを過度に恐れるがあまり、在庫がなくなってしまうということになってしまうことが多々あります。しかし、リサーチをしっかりしている場合、商品が思ったより売れないということはあっても、全く売れないというようなことはほぼないので、本当はこの在庫切れの方を恐れるべきです。
配送にかかる時間
配送にかかる時間も考慮に入れるべきです。
上のリードタイムと合計した時間、在庫が切れることのないようなタイミングで発注するべきです。
また、航空便は高いですが早く、船便は安いですが遅いという特徴があります。
先の割引率のところで説明したように、船便は割引率が大きく、大量に仕入れる商材との相性がいいです。もともと在庫を多く抱えることから商品が届くのが遅いデメリットがあまりないからです。
在庫最適化戦略
Amazonでは在庫切れのデメリットがかなり大きいことから、これを基準にして在庫管理をすることが最適化につながります。
つまり、割引率が小さい商品の場合は、在庫補充の期間に在庫切れがほぼ間違いなく起こらないような在庫数およびサイクルで仕入れる戦略が、割引率が大きい商品の場合は、在庫数は多くなってしまうが、仕入れ数を多くする戦略が有効になります。
特に前者の場合は、先述の仕入れ個数を判断する各要素の影響を強く受けるので、判断が難しいです。このような商材は初心者や中級者が扱うケースが多いと思います。実は上級者のやり方の方が在庫管理は楽なのです。資金が少ない方は早めにステップアップしてこのような商材にチャレンジすることをおすすめします。
まとめ
本記事では、仕入れ個数、在庫数を最適化する戦略について噛み砕いて説明しました。
数学的な説明を避けて説明したため、やや抽象的になってしまったかもしれませんが、ある程度の感覚はつかんでいただけたかと思います。
より詳しく知りたい方は本などで学習することをおすすめします。
いずれにせよ本記事で説明したことが役に立てば幸いです。